2013年6月7日金曜日

バッグ・イン・バッグ

私どもアーリープロジェクツは、ワニ革の靴やバッグのメーカーです。
靴はすべてイタリア本社で生産されており、現在国内へ輸入されているワニ革靴の多くはスニーカーベースのカジュアルシューズです。
ちなみに、使用されるワニ革は世界トップレベルの技術を誇るHeng Long社のものを使用しています。
 
バッグに付きましても、当初はイタリアで作製していましたが、とある理由から、素材をそのままに、生産を国内にシフトしました。
特徴と言えば、お客様のお好みのワニ革バッグをお好みの色でお作りするオーダーメイドというところです。
弊社のデザイナーがお客様のご要望をお伺いした上で、デザイン画をお描きし、ご用命いただけると決まれば、仮縫いモデルを作製します。
その仮縫いモデルを使い、使い勝手から細部の形状に至るまでお客様にご確認いただいた後、商品を作り始めます。
基本はワニ革のバッグなのですが、時々オーストリッチや高級牛革で作って欲しいというようなお話をいただき、そのご要望に可能な限りお応えしています。
また、これまでトカゲや象といった特殊な爬虫類革を使い、小銭入れやキーケースなどの小さなものから、ボストンバッグ等の大きなものまでお作りしてきました。
 
さてここからが本題ですが、今回は皮革の種類ではなく、ちょっと変わったバッグの作製依頼がありましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
 

こちらがそのバッグです。
素材は牛革ですが、使用用途が変わっているのです。

天面がファスナーで開くようになっています。



サイド面にポケットが付いています。



実際に使用すると、このようになります。

バッグの中に入れるバッグをお作りしたのでした。
弊社ではこのバッグの呼び名を、バッグインバッグとさせていただきました。



イタリアの某有名ブランドのトートバッグですが、イントレチャートという編込みで作られているために、柔らかくそのままでは自立しません。



物が入ってないと、こんな感じです。



バッグインバッグを入れて、ファスナーを開いたところです。
元々お洒落な外観のトートバッグですから、形状が固定されるとこんなにもカッコいいバッグになりました。





バッグインバッグをトートバッグの中に入れ、両脇をこのようにホックで止められるように加工しました。

こちらのお客様はこのブランドのトートバッグを全部で3つお持ちでしたので、残りの2つにもバッグインバッグをお作りしました。





上段のブラックのバッグインバッグは細長でしたが、こちらのダークブラウンは丸みを持った少し異なる形状です。



ダークブラウンにもそれぞれの面にポケットを持っています。



ファスナーを開いたところです。



トートバッグだけですと、こんな感じですが、



バッグインバッグを入れると、こうなります。



上から見たところです。
もちろん素材を選ぶ際に、革の色も慎重に選んだということもありますが、普通に馴染んで、なんの違和感もありません。

こちらの止め具部分はバッグインバッグの下部にあります。





3つ目はキャメルです。





キャメルのバッグインバッグの形状は、最初にご案内したブラックのものと同じです。



このトートバッグに、



バッグインバッグを入れて、ここのホックで止めると、



こうなります。



シャープに決まりました。





このバッグインバッグもオーダーメイドバッグの作製手順を踏みますので、デザイン画と仮縫いモデルがそれぞれ存在します。





今回は弊社の特徴をうまく生かして、ニッチなご要望に応じることが出来ました。

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