2009年12月29日火曜日

きたぞわれらの・・・・・・


画像でご紹介のワニ革スニーカーは、弊社のFENNIX style no. 3017です。
2008年春に発表されたこのモデルは、そのデザインがとある有名ブランドに似ているため、社内では他のモデルとの差別化の際にはそのブランド名で呼ばれたりすることもあります。


色は、シルバーのメッシュ地に、赤、ネイビー、ハニー(薄いゴールド)、パーム(ヤシの葉色/薄緑)、ブラック(ブラックはメッシュ地もブラック)が、2008 Spring/Summerのカタログで紹介されました。

アーリープロジェクツはイタリアではワニ革の供給メーカーでもありますから、もちろん豊富なワニ革の在庫にある他の色でも作ることは可能です。


弊社のワニ革スニーカーは、どちらかと言えばそのデザインや製法よりも、1足に使用されるワニ革の面積が広ければ広い程値段が高くなる傾向にあり、この3017もワニ革の裁断にあたっては大きくワニ革を必要とする分、他のモデルに比べ少し高めとなっています。

2008年に設立したアーリープロジェクツジャパンは、当初できるだけ多くのお客様にFENNIXを履いていただきたいという思いから、商品ラインの中から比較的購入し易い価格帯の商品を選びましたので、この3017は初期の市場投入ラインから外れました。
しかし、私にとってなぜかこの3017というモデルにはずっと思い入れが残っており、いずれどこかで国内のお客様にお届けできる環境を準備できればと思っています。
中でも特に赤には言われようのない親近感があり、このモデルを見ていると心の奥底にある記憶を刺激するのでした。

それがある時、「ハッ」と気付きました。
シルバーのベースに赤のライン。

あっ、ウルトラマンだ。

2009年12月24日木曜日

白いワニのクリスマスプレゼント


FENNIX 3114をベースに、白で総ワニ革のスニーカーをお作りしました。
これまで、紫や赤で総ワニ革の3114をご購入いただいた実績はありましたが、白は今回が初めてです。
スニーカーに白といえば、最も定番の色ですが、その素材がワニ革となれば、お洒落を通り越し、何かもっと奥深い神聖なものを感じるのは私だけでしょうか。


このお客様のこだわりをご覧ください。
通常は靴ヒモとハネ部でほとんど隠れてしまうベロ部全体にもワニ革を使用しています。


この3114の総ワニ革で、私が最も気に入っている部分はこの内側の腰(踝の下)の部分です。
ワニ革の細かい斑の部分をここに使った贅沢が何とも言えません。


このスニーカーを履いていただくお客様にとって、クリスマス前の素敵な贈り物になったのではないでしょうか。

2009年12月20日日曜日

FENNIXのオーナメント

現在、国内で販売中のFENNIXはベロ部が次の様にデザインされています。

Zの様な形をしたワニ革が付いているのですが、元々日本以外で展開していたFENNIXにはオーバル(楕円)のワニ革の上に「F」マークとワニを模ったメタルのオーナメントが付いていました。
FENNIXを日本で販売開始する際、複数のお客様にご意見をお伺いしたところ、このメタルオーナメントが大変不評だったため、メタル部だけを外し、国内仕様として、オーバルのワニ革の左下と右上にカットを入れた現在の形状にしました。

この左右のカットは、ワニの口と尻尾をイメージしています。

また、ハネ部の先にも靴ヒモに通したオーナメントが付いています。
これは海外向けのものを国内仕様にもそのまま残しました。
もしお客様がお気に入りでなければ、その場で取り外すこともできるからです。

さて、以前からお伝えしています通り、FENNIXは1990年代から欧州とアメリカで販売されており、2年前から参入した日本市場ではごく一部のモデルのみが展開されています。
これまでにレリースされたFENNIXには、このベロ部とハネ部のオーナメントにも他にいくつか種類があります。
少し変ったものをここでご紹介します。
ベロ部のワニ革はそのスニーカーの色に合わせ白や紺、場合によっては紫や黒となりますが、その上に乗るオーナメントにはワニ顔にスワロフスキーを使ったものもあります。

また、ハネ部のメタルには円形の「F」マークだったり、「F」マークにワニが左から噛みついているものもあります。
ワニ革というエキゾチックレザーを使うこと、またFENNIXのこれまでの一番の市場がアメリカということもあり、これらのオーナメントは派手めとなる傾向でした。
しかし、今後はこういったものばかりではなく、日本のお客様にも好んでいただける様なオーナメントを準備していきたいと思っています。

2009年12月8日火曜日

ハーフビジネスのスニーカー


FENNIX no. 3114ブラック

先日、都心から西へ延びる私鉄に乗ってお客様先へお伺いする途中の事でした。
午後の早い時間のため乗客はまばらで、ゆっくり座っていたところ、私の真正面にいた一人の男性の服装に目が止まりました。年齢は50代後半、少し太めの体格でお腹周りには貫禄と言って良いふくらみがありました。
濃いグレーのツィードのジャケットに白い襟なしのワイシャツ、黒いパンツに黒い革のスニーカーを履いていました。
「これは」という思いで、勝手ながらその男性に妙な親しみを持ちました。
これまで私が出会った中年以上の男性の中で、半ビジネスの装いでは最もスニーカーがお似合いだったからです。

日本では、サラリーマンは濃いめのスーツに黒か焦げ茶の革靴が定番で、特にお堅い金融系だったりすると、ネクタイでさえ地味な色遣いが当たり前という風潮がありました。
しかしこの数年、営業職でも夏場は上着を脱ぎ、ネクタイをはずして客先訪問をするようになりました。また、ここ十数年ほど前から上場企業でも一週間の内の一日だけカジュアルデーを設けている会社も少なくありません。
しかし、カジュアルデーとなると、夏はポロシャツ、冬はセーターと、休日に家族で遊園地に行く時と同じ様な、スーツ姿と真反対のカジュアルに振れてしまう傾向がある様です。
日本の働くオヤジも、少し着崩した装いを許してもらえる環境であれば、どこかのお洒落な国の様にスーツとカジュアルの中間あたりでファッションをエンジョイできると思うのです。

そういう中、上記でご説明した男性は色使いこそ白黒系が中心でしたが(というよりは白黒系が良かったのか)、ジャケットにスニーカーがとてもお洒落でした。
残念だったのは、そのスニーカーが弊社のFENNIXではなかったことです。
こういう方には、ぜひFENNIX 3114のブラックやブリックあたりを履いていただき、カジュアルクロコを実践いただきたいと心の中と視線だけでお願いをしておきました。
休日はもちろんですが、仕事にも履いていけるハーフビジネスのスニーカーとしてFENNIXをお役立ていただくことで、日本のオヤジのお洒落に貢献できないかと感じた次第です。

2009年12月2日水曜日

総ワニ革のサファリバッグをお作りしました

弊社のオーダーメイドバッグの製作過程を、実際にご注文いただいた内容に基づきご案内します。

まず、お客様のご要望をお伺いし、次の様なデザイン画を書きます。
ここでお客様がお持ちのイメージを具体化します。


次に仮材を使い、仮縫いモデルを作成します。
材料が違うというだけで、最終製品と同じものを作り、大きさや使い勝手、お持ちいただいた際のフィット感などをご確認いただきます。
この段階ではまだ細部への修正も可能です。
仮縫いモデルにお客様のご希望を反映し、最終のご承諾をいただいた後に本製品の製作に着手します。









デザイン画と仮縫いモデルで、お客様のご要望を二重に確認しますので、出来上がった商品がお好みと違うということはほぼありません。
また、お客様と一緒にご希望のものを作り上げていく工程を楽しんでいただけるのもこの商品の特徴の一つです。
今回のバッグはお客様がお選びになったキプロスグリーンのワニ革を使い、ご使用になるそれぞれの場面で必要となる機能を付加しました。
世界に一つしかないそのお客様だけのワニ革サファリバッグです。