2012年11月22日木曜日

LEON 1月号


11月24日発売のLEON 1月号に、弊社のワニ革オーダーメイドバッグの広告が掲載されています。(170ページ)
紹介されている商品は、ワニ革で作ったダレスバッグです。

ダレスバッグは、ドクターが使うことが多いことから、ドクターズバッグとも呼ばれたりします。
定義としては、マチ幅の広い口金式のブリーフケースをそう呼ぶようです。



せっかくのワニ革ダレスバッグですから、一面継ぎはぎのない一枚のワニ革で作りたいと思いました。
このバッグの寸法は、高さ32cm×横43cm×マチ16cmですので、一枚でこのサイズが十分入る同じ種類、同じ形状のワニ革が表側と裏側で2枚必要でした。
着手にあたって、ワイン色のワニ革でダレスバッグを作りたいとのご要望から、適切なサイズのワニ革クラストを選択した後、ワニ革の染色から始めました。
完成したバッグは、現在大丸東京店7階メンズバッグ売場にて展示販売されています。


これまでの弊社のブログ記事をお読みいただいている方は既にご存じと思いますが、弊社ではワニ革を使ったバッグをお客様のご要望に応じたオーダーメイドでお作りしています。
工程としては、まず弊社のデザイナーがお客様のご要望を具現化するにあたり、デザイン画をお描きします。
後に仮材を使った仮縫いモデルを作成し、サイズ、形および細部の調整を行います。
仮縫いモデルにお客様の最終的なご了解をいただいた後、本革による最終製品の作製に着手します。
出来上がったバッグは、世界に一つしかないお客様だけのオリジナルとなります。


今回のLEON誌の広告内に次の様な文言を入れています。

「ワニ革を使って、お好みの色、お好みのデザインで、あなただけのバッグを」

オーダーメイドでワニ革のバッグをお作りしますという事をご案内したかったのですが、伝わったでしょうか。



2012年11月18日日曜日

アウトソールの交換 その2


この画像は、ワニ革ヴィンテージスニーカー DAMI no. 2979の靴ヒモを外し、中敷きを取り外した状態です。
これまでも何度かお伝えしているように、no. 2979は染色前のワニ革クラストを裁断し、縫製し終えたアッパーと中敷き表面の革を染色ドラムに一緒に入れ、色付けを行います。
素材の違いで色調が多少異なりますが、このスニーカーのアッパー表のワニ革と裏革、更に中敷きも同じ染料で染色されています。
生産時には、染色、洗浄、乾燥工程を経て、その後吊り込まれたアッパーは、アウトソールに載せ、アウトソールが被さった周縁を縫って接合していきます。

画像のように、中敷きが外された靴の中には、内革側部に縫い目と真中に白い中底を見ることができます。
この白い中底の部分を覚えておいてください。



さて、ここからが今回の本題です。
11月8日のブログ記事で、no. 2979は古いアウトソールを取り外し、新たなアウトソールに交換できるとお伝えしました。
アッパーとアウトソールを接合した糸を一度ほどき、新しいソールにアッパーを載せ、再度縫い合わせるのです。

以前、上段画像の様に、アウトソールの交換が終わったスニーカーの中敷きを取り外し、縫い目を確認したところ、縫い目の位置が多少ずれているのを発見したことがありました。
同じところを2度縫うよりも、少しずらして縫った方が強度を保つにはいいのは分かります。
もちろん、ほんの少しずらすだけなので、表に縫い目のあとが出てくることはありません。
しかし、1点心配なことがありました。
縫い目がずれることで、アッパーの位置が変わらないかと。
そうすると、甲の高さが変わり、足入れと履き心地に影響しないかと。

先日、修理工房を訪問した際に、作業者の方にこの件を伺ってみました。
回答としては、アッパーは冒頭でご案内した白い中底に接続されており、アッパーの高さは中底からの位置で固定されいるとの事。
アウトソールの交換は、中底と吊り込まれたアッパーをアウトソールに載せ、縫い込んでいくだけなので、アッパーの甲の高さは変わることはないとのお話でした。

よくよく考えれば、そう言うことなのです。
おかしなことを聞く人だと思われなかったかと、ちょっと恥ずかしい気持ちで工房を後にしました。



こちらは、アウトソールの交換が終わり、靴ヒモを取り付ける前に、表から見たno. 2979です。
この状態で履く方はいらっしゃらないと思いますが、このスニーカーは靴ヒモを外すと、ワニ革の斑の模様がより際立って、カッコ良いのです。

2012年11月10日土曜日

FENNIX 3417 ブラウン


こちらのスニーカーは、本日出荷となりましたFENNIX no. 3417 ブラウンです。
ご購入いただきましたお客様、ありがとうございました。

今年の春に発売されたFENNIX no. 3417には、ブラウンの他に標準色ではホワイトとブラックを揃えています。
昨年後半からno. 3417を準備する時点で、ホワイトとブラックはスニーカーとしてはテッパンですから、標準色としてすぐに決まりましたが、3色目をよりインパクトの強いものにしたいと考えていました。

このスニーカーは、甲部にワニ革を使い、同色のナッパとパテントレザーを合わせていますので、それぞれの素材を組合わせた際の相性は重要でした。
ブラウンが候補に挙がった際、もう少し薄めの茶色や明るめの茶色という選択もありました。
しかし、印象を強くしようと濃いめの焦げ茶を選び、そこにヒモを通すハトメとワニを象った金具をゴールドにすることで、他にはない色調を出すようにしました。

結構チャレンジングな試みになりましたので、お客様に受け入れられなかったらどうしようかと、初出荷の前はドキドキしていました。
結果としては、発売から半年以上たちましたが、販売数量的にはホワイトやブラックと変わらない程、ブラウンは好調です。

2012年11月8日木曜日

アウトソールの交換


ワニ革ヴィンテージスニーカー DAMI 2979は、オパンケ製法で作られています。
オパンケとは、吊り込んだアッパーを周縁が被さるようなアウトソールに載せ、側部から縫い込んでアッパーとアウトソールを接合する製法です。

ですから、アウトソールがすり減ってきた場合などは、縫い合わせた糸を取りほどき、古いアウトソールを取り外せば、新しいものに交換することができます。



DAMI 2979のゴム底の周縁部を見ていただくと、縫い目があるのがお分かり頂けると思います。



また、中敷きのカップインソールを取り外すと、内側の縫い目を確認することができます。





この交換作業にあたっては、イタリアから部材を取り寄せた後、新しいアウトソールへの載せ換えは国内で行います。
お時間と費用は掛かりますが、ご希望のお客様がいらっしゃいましたら、お取扱い店または弊社へご相談ください。

ただし、革を縫う訳ですから、一度縫われた部分には針穴ができてしまいます。
何度も針が通ると革が弱くなっていきますので、このソール交換は何度も行える訳ではありません。
せいぜい1回位ではないでしょうか。



2012年11月4日日曜日

ワニの突起がついたFENNIX


今履いているFENNIXがだいぶん傷んできたので、そろそろ新しいスニーカーをおろそうかと考えています。
私の場合、歩き方がおかしいのか、アウトソールの踵の外側が減る傾向にあります。

お取引き先を訪問する際にも履いて行く自社商品なので、汚れていたり、ソールがすり減っていたりすると、カッコ悪くていけません。

そう言えば、以前手入れの悪いスニーカーを履いて外出した際、お取引き先のご担当者さんから、「あなたがそんな靴を履いてはいけないでしょう。」とお叱りを受けたことがありました。
靴を販売する立場にあるものが、おかしな靴を履いていてはいけないという当たり前のことで、その時は深く反省したものでした。



さて、どのスニーカーを新たに履こうかと、下駄箱と相談していると、こんなワニ革スニーカーが出てきました。
これはイタリアAlly Projects社が2008年の春夏向けに発表したFENNIX no. 2969で、私が初めて買ったワニ革スニーカーです。
アッパーにカイマンと同色のパテントレザーを使っています。



特徴は何と言っても前部にワニの鱗の突起がついているところです。
このスニーカーはブルーですが、発売当時はこの同じ形状で黄色やピンクなどド派手なものもありました。



これらは5年程前のアーリープロジェクツジャパンを設立して間もない頃の一スタイルでした。
FENNIXはアメリカでは売れていましたが、それらをそのまま日本に持ってきて良いのかと、試行錯誤の時期でもありました。



結局、FENNIX 2969の国内販売は見送り、私のブルーが国内唯一の2969となりました。