2011年12月27日火曜日

背ワニのベルト



背ワニを使ったベルトのご注文をいただきました。


バックル部分


ベルト中間部


ベルト中間部拡大

背ワニのオウトツ部をうまく表現できました。


ベルト端部


ベルト端部拡大

背ワニの特徴であるクラウンもバッチリ入っています。
ここはワニの頭部と胴部の接続部である頸部の隆起で、背ワニの価値を高める特徴の一つです。

ワニ革には大きく分けて二つ、背中を割いて腹部の模様を使う腹(肚)ワニと、腹部を割いて背のオウトツ模様を使う背ワニがあります。
最近のワニ革は腹ワニが主流で、背ワニはあまり市場に流通していないようです。
しかし、ワニ革がお好きな方の中には、背ワニでバッグや財布を作りたいというこだわりをお持ちの方もいらっしゃいます。
今回のベルトのお客様もそんなお好みをお持ちのお一人です。



お客様との初回打合せ時のご希望は、茶系の背ワニを使い、ベルトの巾を4cmほどの広めにとり、裏面もワニ革の無双仕上げにするというものでした。
ベルトとは言え、背ワニの特徴をその中に表現するには、ベルトの長さが十分採れるサイズの背ワニを必要とし、一枚のワニ革を使うという点では、バッグや財布の製作と変わりません。



この様に、ベルトの裏もすべてワニ革になっています。



まず、今回のベルトに使える適切な色とサイズの背ワニを選択しました。
全長は140cmを超える結構な大きさのワニ革を使いました。



余談ですが、腹ワニにはCITESのタグは尻尾の先に付けられていますが、背ワニの場合はこの様に後足部に付けられています。
オウトツを尻尾の先端まで使う可能性があるので、傷を付けないようにとの配慮でしょうか。









次に今回のベルトにマッチするバックルをいくつか用意しました。



結局、お客様はこちらのバックルを選択されました。
これはメッキ前のものです。





バックルを、まずブロンズ色でメッキし、その上から黒ニッケルでメッキをかけ、表面にバフ処理を施し、黒ブロンズで雰囲気を整えました。



工程が前後しますが、部材を確定した後、それをイメージとして具現化できる様に完成予想のデザイン画を作成し、それをお客様にお届けしました。
デザイン画にご承諾をいただいた後、必要な部材をすべて調達し、製作に着手しました。
実を言いますと、デザイン画を初期段階で間違って作画してしまいました。
クラウンと背のオウトツの位置が逆なのです。



重量感のある迫力満点の背ワニのベルトが出来上がりました。
これも弊社のオーダメイドバッグと同様に、世界で一つのこちらのお客様だけのワニ革ベルトです。



昨日、お客様にお届けしました。

2011年12月25日日曜日

ピンクのワニ革長財布 その4



これまで何度かご案内してきましたピンクのワニ革長財布が出来上がってきました。



ヘンロンのワニ革を使い、お客様のご希望の色で染色し、細部にこだわった職人の技で長財布に仕上げました。
それぞれの組合せが、結果としてこの財布の良さを引立てています。





しかし、今回の一番は、この財布のために選択したこのワニ革です。
この長財布にピッタリのサイズというのは当たり前のことですが、その中で表現された斑の模様がとても綺麗だと思うのです。

2011年12月16日金曜日

ピンクのワニ革長財布 その3



12月12日のブログ記事でご案内しました「ピンクのワニ革長財布」に使うワニ革のボンベ加工が終了しました。



染色が終わったワニ革が適切なサイズに裁断された後、それぞれの斑が薄く膨らんで立体的に見える様に加工されています。
カメラのフラッシュが反射して光っている部分でオウトツがお分かり頂けると思います。

ここから縫製が始まり、長財布になっていきます。

2011年12月12日月曜日

ピンクのワニ革長財布 その2



以前のブログ記事でご案内しました「ピンクのワニ革長財布」に使うワニ革のグレージング加工が完了しました。
http://allyprojects.blogspot.com/2011/11/blog-post_09.html

もともと綺麗なピンクに光沢が加わり、これ以上にないという程、鮮やかな色になりました。
商品にせず、このままのワニ革の状態でも十分にオブジェとして飾れるくらいです。
写真でどれだけお伝え出来るか難しいところですが、とても良く仕上がっています。

この後に、財布に使用する部分を裁断し、ボンベ加工を施します。
ボンベ加工とは、ワニのそれぞれの斑を立体的に見せる様、膨らみを持たせる処理です。



ボンベ加工終了後に長財布に仕上げて行きます。
弊社では、ワニ革クラストの選択から始まり、染色を経て、製作に着手します。
申し訳ないのですが、こちらのお客様にはもう少しだけお時間を頂くことになります。
綺麗な長財布が出来上がると思います。

2011年12月11日日曜日

黒いマットクロコの長財布



黒いマット仕上げのワニ革で、長財布をお作りしました。
大変有難い事に、弊社では今年後半にお財布のご注文をよくいただきました。



さて、この財布は、今回のお客様がこれまで使われていたある有名ブランドの長財布をベースにし、ご要望に基づき、デザインを少しカスタマイズしたものです。
お客様が使いなれた部分を残し、もう少し使い勝手を良くしたいと思っていた部分を改善しました。



有名ブランドの長財布を含め、一般的な長財布の長さは19㎝で作られることが多い様です。
今回のこの長財布は、それより1㎝長く、20㎝でお作りしています。





見た目には薄めの財布でありながら、サイドにマチを持ち、一回り大きく作ったことで、お札が余裕を持ってたくさん入るようになっています。





これまでのオーダーメイドバッグと同様に、ワニ革の裁断前に仮縫いモデルを作成し、事前にサイズ感や使い勝手をお客様にご確認いただきました。



ワニ革は、今回の財布に最適なサイズのイリエワニ(スモールクロコ)を選択し、腹ワニの真中を裁断しました。
故に、ワニの斑の一番綺麗な部分が使われています。



財布の真中にワニの中心を合わせ、ほぼ同じサイズの角の斑が左右対称に外側に広がり、やがて丸くなるところまでが一枚のワニ革の中に収まっています。

2011年12月5日月曜日

ワニ革バッグのオーダーメイド 受注会のご案内



12月10日(土)・11日(日)の2日間、大丸心斎橋店 本館5階 オーダーサロンにて、エキゾチックレザーを使ったバッグのオーダーメイド受注会を行います。

ワニ革やオーストリッチ、高級牛革を使い、ご希望のデザイン・ご希望のカラーでバッグをお作りします。

バッグのデザイン作成にあたり、当日は弊社デザイナーがご来店いただいたお客様のご要望に基づいた初回テーブルデッサンを仕上げます。

ご自分だけのオリジナルバッグをお作りになりたいとお考えのお客様のご来店を心よりお待ち申し上げます。

日時: 12月10日(土)・11日(日)
場所: 大丸心斎橋店(大阪市中央区心斎橋筋1-7-1)
           本館5階 オーダーサロン
お問合せ: アーリープロジェクツジャパン 03-3462-2345

2011年12月3日土曜日

来季のFENNIX



イタリアでは今、来季のFENNIXが考案されています。



現在、販売中のFENNIX no. 3035はワニ革と牛革エナメルのコンビです。
甲部にワニ革を置き、胴側部のエナメルの上にワニ革のラインを持っています。

さて、新作については、例えば、3035の木型をそのままに、エナメルを部分的にナッパと入れ替えるというのも一つのアイデアの様です。

甲部のワニ革はこのまま固定して使用するとし、イタリアのデザインチームはこの側部をどうするかを検討中との事です。
刺繍や型押しでロゴを入れるということも可能性としてはあるようです。



この様にエナメルとはまた違うナッパの渋めの光沢を生かし、いっそのこと側部には何も置かず、黒なら黒でこのままフラットにしたモノトーンなFENNIXもアリかも知れません。

2011年11月29日火曜日

DAMI Vintageの靴ヒモの結び方



以前のブログ記事の中でもお伝えしましたが、弊社のワニ革ヴィンテージスニーカーの靴ヒモの結び方に付いて、今回もう少しご案内いたします。



スニーカーと言えば、その起源がスポーツ系ということもあり、走ったり跳ねたりしても脱げ落ちない様に、通常は蝶々結びでヒモを固く結びます。
これまで弊社で販売してきたワニ革スニーカーのFENNIXラインでも、特にスポーツ系のスニーカーと変わりなく、蝶々結びがデフォルトでした。



さて、ワニ革ヴィンテージスニーカーは、せっかくの高級素材をワザと履き古した様に見せるところがポイントで、緩く履いていただくことがその味をより深める一つとなります。
そして、靴ヒモの結び方を蝶々結びではなく、画像のように2本のヒモをまとめた玉結びにすると、その効果は更に上がります。
イタリアでは、その販売開始当初から店頭でディスプレイされているDAMI 2979 Vintageは、この玉結びにされていました。
もちろん、出荷時も両足とも玉結びにして、靴箱に納められます。



DAMI 2979 Vintageに使われている靴ヒモが普通の布ヒモではなく、革ヒモであるがため、余計にこの玉結びが似合います。
これまで、カタログや雑誌広告に使われた画像でも、すべてこの結び方で撮影されています。
もちろんこれは履いていただくお客様のご自由で、中には靴はしっかりヒモを締めて履くものだと言われる方もいらっしゃると思いますし、それはそれで基本の履き方です。
しかし、敢えて私どもはこのDAMI 2979 Vintageには、切りっぱなしの革の丸ヒモに緩く締めた玉結びをお勧めしております。







尚、玉結びで緩く履くとお伝えしましたが、すぐほどけるように緩く結ぶという意味ではありません。
余裕をもって緩くカッコ良く、しかし結び目はほどけないようにしっかりと結んでください。