2010年10月23日土曜日

シープのロングコート

シープのロングコートをお作りしました。



ご注文いただいていたワニ革バッグの内革に、スペイン産の柔らかい高級羊革を使用したところ、バッグもさることながら、お客様に内革を大変気に入っていただきました。

お客様からその羊の内革でコートを作って欲しいとのリクエストをいただき、お作りしたのがご覧の画僧の商品です。
この羊革は元々バッグの内革に使うような素材ではなく、高級ジャケット等衣料用に使われるものでしたので、コートにしても十分映えるものでした。



お納めするまでの工程は、弊社のオーダメイドバッグの製作工程を同じです。
まず、お客様のご希望をお伺いした上で、デザイン画を描き、イメージを具体化しました。



その後、仮縫いモデルを作り、寸法合わせと細部の調整を行い、最終製品に着手しました。



革自体は、とても柔らかく軽い羊の革です。
素材を確保した後、お客様のご要望の色への染色から始めましたので、少し時間が掛かりました。
また、ご覧いただいてお分かりの通り、襟とカフスがオリジナルになっています。
これは、シャンブレーベルベットを使って、手作りでオウトツを出した特注の襟とカフスです。
シルエットは、ウェストを絞ったAシェープです。
裏布地はキメ細かい同色の高級シルクを使っています。

大変なコストが掛かってしまいましたが、満足行くものが出来上がりました。

2010年10月17日日曜日

FENNIX no. 3035の販売状況



昨日のブログ記事で、FENNIX no. 3114の販売についてご案内しましたので、今日は弊社のもう一つの売れ筋 no. 3035の状況をご案内します。

3035は、甲部前方とサイドのラインにアリゲータを使い、左右の側部から後部にかけて牛革エナメルを使っているスニーカーです。
吊り込んだアッパーをラバーのアウトソールに載せ、接合には横から縫い付けていくオパンケという製法で作られています。
国内で発売した当時は、「ブルー」と「レッド」の2色から始め、昨年末に「ブラック」、今年に入り「ホワイト」と「トリコロール」を展開しています。



今年1月から現時点までの10ヶ月間の販売数比率は、「ブルー」18%、「レッド」17%、「ブラック」23%、「ホワイト」28%、「トリコロール」13%となりました。
シーズン的な要因もあり、春から夏にかけて「ホワイト」が売れるというのは予測の範囲内でした。



しかし、「ブラック」が、「ブルー」や「レッド」を退けて2位というのは意外でした。
お取扱店の店長さんのお話では、3035の黒はスーツに履いていただく方もいらっしゃるとのことで、用途が広かったことが理由のようです。
これから寒くなるにつれ、他の色も含め、濃い色のご購入が増えてくるのではないかと予想しています。

3035のこの10ヶ月間のサイズ別販売比率は、次の通りです。
「39」6%、「40」14%、「41」25%、「42」30%、「43」17%、「44」7%
昨日もご案内した通り、この木型は「42」が一番売れ、「41」が続きます。

最初の画像を見てお分かりの通り、側部のワニ革ラインの両端を、「ブルー」には赤、「レッド」にはグリーンといった異なる色の細いラインではさんでいます。
「ホワイト」と「ブラック」にも同位置に同様のラインはありますが、それぞれの同色を使い、モノトーンになっています。
「ブラック」に赤のラインを入れてはどうかと、現在イタリア本社から連絡を受けています。

2010年10月16日土曜日

FENNIX no. 3114の販売状況



これまで何度かご案内しています通り、FENNIX no. 3114はアーリープロジェクツのイタリア本社が日本人向けに木型をおこしたワニ革スニーカーです。
発売当初からこれまでに販売した色は、「ブラック」、「ブリック」、「モカ&クリーム」と「トリコロール」です。
 


その中で昨年からこれまでに最も売れた色は「モカ&クリーム」でした。
この色は最初に雑誌広告に載せた時期、お電話でお問合せいただいたお客様から、「この靴に惚れました。」と言っていただいたほど好評でした。
 


しかしどういう訳か、今年に入って10月までの10ヶ月間の統計では、「トリコロール」が最多の販売となり、全体の32%になりました。
この色はイタリア名をFlame Red(炎の赤)というワニ革に、ナッパ(羊)を使ったボディの白とラインの緑というイタリア国旗と同様の3色で構成されています。
この靴の完成当時、こんな派手な靴が本当に受け入れられるだろうかと、内心心配していました。
ひょっとすると、この色だけはディスプレイ用で終わってしまうかも知れないとの思いから、着手時の国内在庫量を少し押さえた程です。
しかし、よくよく考えてみると、カジュアルで履くスニーカーにワニ革という高級素材を使って普段のお洒落を楽しんでくださいとご提案している訳ですから、履いていただくお客様のマインドからしてみれば、「トリコロール」くらいに派手な方が受け入れ易かったということなのだと理解しました。

今年10ヶ月間の販売数統計では、「モカ&クリーム」30%、「ブリック」20%、「ブラック」18%と続きます。
3114の発売時に、他の色で注目されても、最終的には「ブラック」が一番売れるのではないかと言われた方がいらっしゃいましたが、その予想を大きく裏切りました。

サイズ別販売比率では、「39」13%、「40」20%、「41」26%、「42」22%、「43」19%でした。
弊社の他の木型のスニーカーでは「42」が一番の売れ筋サイズなのですが、この3114は見た目よりワイズがあり、足入れが大変良いために「41」が最も売れています。

この年末に掛けて状況がどう変化するのか、大変気になるところです。
少し涼しくなって以降、お取扱店からは「ブリック」の引合いを結構いただくようになっています。
この「ブリック」はウィンドに飾っていただき、夜ライトをあてるととても見栄えします。
しかし、イタリアの8月の夏休み後、「ブリック」の出荷が間に合っていません。
早く早くとイタリアサイドをせっついている毎日です。

2010年10月10日日曜日

DAMIのウィングチップ

弊社のドレスラインDAMIは、アーリープロジェクツ社の創業家DAMI家が自身の名前をブランド名にする程、その品質には高いこだわりを持っている商品です。
そのコレクションは、時代に流されないスタンダードを守り、熟練した職人が細心の配慮を持って製作にあたります。
春と秋に新たなスタイルを出すカジュアルタイプのFENNIXとは違い、DAMIにはシーズン毎の最新モデルの発表はありません。





但し、ごく稀にマイナーなモデル変更や新しいスタイルがレリースされます。
そんな一つが、今回画像でご紹介しているスタイルです。



こちらはご覧の通り、バーガンディー(ワイン色)で作った総ワニ革靴のウィングチップです。

シューメーカーはワニ革という高級素材を使った靴を自社コレクションの最高位に位置付けるので、その多くがプレーントゥの内羽根やストレートチップの外羽根だったりします。
紐を結ばないタイプでは、シングルやダブルのモンクストラップといったところまでで、ショップに並ぶそのほとんどは黒か焦茶です。
 


バーガンディーのワニ革靴も珍しいのですが、それが更にウィングチップとなると、そうそうはなく、現物を直に見る機会もそう多くはないのではないでしょうか。
ワニ革を使った靴しか作らないという専業メーカーならではの商品ラインナップです。
 


更にこちらは同型モデルですが、ワニ革とカーフのコンビです。
このウィングチップを見て、ここまでするなら総ワニ革でないと意味がないと言われる方もいらっしゃいます。
しかし、このカーフとのコンビも、用途によっては結構洒落た着こなしに合わせることができるのではないかと思うのです。
もちろん総ワニ革に比べると、コンビのウィングチップの価格は三分の二程に押さえられます。



アーリープロジェクツジャパン設立後、今年が3年目ですが、現時点ではまだウィングチップのご購入はありません。
弊社はワニ革ウィングチップの国内第一号のお客様を心よりお待ちしております。

2010年10月8日金曜日

キプロスグリーンのワニ革ブリーフケース2

今年4月7日付け投稿で、キプロスグリーンの総ワニ革ブリーフケースをご紹介しました。
このブリーフケースは外面をすべてワニ革にし、顔とも言うべき表裏両面とも肚ワニの中心を使った左右対称のセンターカットにしたために、ワニ革が2枚必要となり、価格も上がってしまいました。




今回、新たにほぼ同じ形状で、ワニ革の面積を少し減らしたブリーフケースを作りました。

ワニ革を使わない部分は、同色のナイロンメッシュを使用しました。
これがどういう訳か、ワニ革との相性が悪くないのです。


原価構成ではワニ革が最も高い部分を占める訳ですから、それが少なくなる分、価格も結構押さえられます。
 

総ワニ革のブリーフケースも悪くはなかったのですが、他の素材と組み合わせることで、よりカジュアル感が出てき、使用する環境が広がったように思います。



ファスナーはサイドの下まで開きますので、無理にこじ開けることなく、底まで手が入ります。
もちろん開き過ぎないように、内側にストッパーが付いています。


とても気に入ったので、自分でも使うことにしました。