2011年9月19日月曜日

DAMI no. 8026



ご覧いただいているワニ革靴は、弊社の新作 DAMI no. 8026 です。



弊社のDAMIブランドで販売しているドレスタイプの革靴は、ほとんどがマッケイ製法で作られています。
しかし、このno. 8026はグッドイヤー製法で作られています。
一般的にグッドイヤーに比べマッケイの方が軽量で反りが良いと言われていますが、no. 8026はグッドイヤーでありながら非常に柔らかいという特徴を持っています。



弊社の他のドレス靴に比べ、外観も異なるのがお分かり頂けると思います。
これは、クラスト状態のワニ革を吊り込んだ後に、手作業で丁寧に時間を掛け、細かく染色していくからです。



no. 8026は内羽根のストレートチップですが、このサンプルを作製した際は、もう一種類モンクタイプも作製したそうです。
しかし、イタリアで最初にお見せしたお客様がどうしても譲って欲しいと仰られ、サンプルとして活用する前にお売りしてしまったために、私も現物を見ることができませんでした。

このサンプルが出来て以来、少し時間が経ちましたが、no. 8026はイタリアでもまだ販売開始となっていません。
国内第一号の購入をご希望の方がもしおいででしたら、申し訳ありませんが、もうしばらくお待ちください。

2011年9月18日日曜日

ドレスのDAMI


DAMI 2846 brown

昨日、ドレス靴のDAMIにご注文をいただきました。
弊社アーリープロジェクツジャパンは2008年の設立以来、国内ではスニーカーベースのカジュアルシューズから着手してきました。
しかし、もう一方のラインナップである総ワニ革のドレスタイプにも、そろそろ力を入れて行こうと考えています。


DAMI 3000 black

これまでどちらかと言うと、ドレスのワニ革靴のユーザは、黒系のスーツを着用した強面の方が履かれるといったイメージがあったと思います。
しかし、弊社のイタリアのお客様の中には、このワニ革のドレス靴をカジュアルで履かれる方もいらっしゃいます。


DAMI 2849 brown

オヤジと呼ばれる年代の方が、ジーンズにワニ革靴を合わせたりすると、カジュアルだからこそそのお洒落が際立つ場合もあるでしょう。
私どもは、そういった世界を目指していきたいと思っています。

2011年9月4日日曜日

背ワニの長財布



実は、昨日9月3日のブログ記事でご案内した背ワニのボストンバッグをお納めしたお客様には、同じ背ワニの革で長財布もお作りしています。



片面は、背ワニの尻尾部で、隆起部が右側部では広がったところから左側に向け少しづつ狭まり、左側部中央の1点に向かっているという、この財布のサイズに一番良い部分が使われています。
この部分の革の加工は、厚みがある割には中途半端に柔らかく、機械が使えない為、すべて手作業となることから、職人が最も苦労したところです。



もう一方の片面は、腹部の真中が使われており、中心から分かれた左右の斑模様がシンメトリーになっています。
バッグと同様に、この長財布にもお客様のお名前を彫った真鍮のプレートが付いています。



内側はバッグと同じ赤い牛革を使っています。



この長財布はダブルファスナーで二つの入れ口があり、片方に1万円札が100枚入るスペースを持っています。



バッグだけでも相当なインパクトがあるところに、お買い物の時など、そこからこの長財布を取り出してお支払いをするところなどを想像するだけで、楽しくなってしまいます。

2011年9月3日土曜日

背ワニのボストン



凄いバッグが出来上がってきました。

ご存じの方も多いとは思いますが、ワニ革は大きく2種類に分けられます。
ワニを背の部分から割き、腹部の鱗(または斑)をいかした肚(ハラ)ワニと呼ばれるタイプと、腹を割き、背部の凹凸をいかした背ワニと呼ばれるタイプの2つです。
現在、市場で流通する多くが肚ワニで、背ワニを使った商品を見るのは稀になってきました。
しかし、ワニ革がお好きで、こだわりをお持ちの方々の中には、背ワニをうまく使ったバッグや財布を好んでお持ちになられる方がいらっしゃいます。
今回のお客様も、そんなこだわりをお持ちでいらっしゃるお一人です。



まずこのバッグの特徴の一つとして、背ワニの隆起が付いた幅のあるベルトが真中にあります。
このバッグのファスナーを開けるには、まずこのインパクトのあるベルトを外さなければなりません。
ワニ革は腹部に比べ、背部の方が固く、特に突起部に近い背部を裁断し縫い付けるのはなかなか苦労する職人泣かせの作業です。



正面から。



側面。



後面。



上方から。



ベルトを外し、持ち手を広げた状態。



それを横から見た状態。



バッグをひっくり返して見た底部。
側面一面から底部中央まで一枚の背ワニの革でつながっているのがお分かり頂けると思います。



背ワニには、ワニの頸部にあたる部分に頸鱗板(けいりんばん)と呼ばれる特徴ある丸い隆起と、少し離れて背部から始まる背鱗板(はいりんばん)と呼ばれる連なった隆起があります。
頸鱗板はクラウンと呼ばれ、その美しい天然の王冠が背ワニの価値を高めます。





このバッグは贅沢にも左右の両側面にそれぞれ一つづつのクラウンと、そこからつながった背鱗板を持っています。
クラウンが下部にあり、中段から上部にかけて背鱗板が始まっていますので、ちょうどワニが逆立ちした状態です。



内側は、赤い牛革を使いました。





底部に4つのホックが付いており、底部を中心から折って、重ねて留めることができます。



 こうすることで、すこしコンパクトになり、シルエットの違うバッグに変身します。



 正面。



 側面。



何と言っても、このチョコレートと呼ばれる焦げ茶色が、この背ワニを素材としたボストンバッグにとても良く合っていました。
もしワニ革バッグの作品コンテストがあったら、ぜひ出品させていただきたいと思う程の出来ばえでした。
もちろんこのバッグはお客様にお納めする商品ですが、私どもにとってはまた新たな成果となる作品の一つになりました。

尚、バッグの正面には真鍮のプレートにお客様のお名前を彫り込みました。
また、持ち手の付け根の金具はこのバッグのために4つだけ作りました。
通常、ニッケルやゴールドを選択するところ、「銀古美(ぎんふるび)」という特別な色でメッキ加工を施しました。





このバッグの作製に使われたデザイン画と仮縫いモデルです。