2010年12月30日木曜日
キプロスグリーンのワニ革ベスト
キプロスグリーンのワニ革で作ったベストをお納めしてきました。
このベストの最大の特徴は、背中部まで含め、全面にワニ革を使ったということです。
画像をご覧いただいてお分かりの通り、表(おもて)面の右部だけにワニ革を1枚。
左部にも1枚。
背中にも、左右に1枚づつ、1着のベストに合計4枚のワニ革を使用しました。
近年は加工技術も進んでおり、今回使用したワニ革は衣料用のとても柔らかいものです。
製作工程は、他のオーダーメイド製品と同様、まずデザイン画でお客様の思いを具現化しました。
その後、仮縫いモデルをお客様用のサイズに調整させていただきました。
また、4枚のワニ革のつなぎ部が綺麗に揃うよう、紙型で何度も慎重に斑の合わせ位置を確認しました。
今回のご注文は、お客様が弊社デザイナーが持っていたバッグを見て、これと同じ色でベストをお作りになりたいというところから始まったものでした。
ワニ革で作る商品一般は、どちらかと言えばまだ市場では黒や焦げ茶が多いというのが現状です。
今回のキプロスグリーンは、結果的にベストとして綺麗な合わせやすい色に仕上がったのではないかと思います。
このベストが、バッグを含めたオーダーメイドの商品では、今年最後の納品となりました。
お客様にも喜んでいただきました。
2010年12月25日土曜日
ピーナツ色のワニ革ショルダーバッグ
ピーナツ色のワニ革ショルダーバッグが完成し、昨日のクリスマスイブにお客様にお届けすることができました。
ピーナツ色はワニ革にとてもよく合う、弊社でもおススメの色です。
今回、バッグの製作に着手した時点で、希望に見合うワニ革がなかったため、ナイルクロコの1級品を取り寄せました。
更に、その中からこのショルダーバッグに適切なワニ革を3枚選び、使用しました。
通常、ワニ革の等級は、傷の具合と斑の並びなどで選別されます。
1級となると、傷がなく、綺麗な配列を要求されます。
市場には2級品の流通も少なくなく、多くの場合その中から傷を避けて裁断したり、高い技術で補修され、商品に展開されます。
このショルダーバッグに使われたワニ革は間違いなく1級品で、最終製品になった時、色とワニ革の斑がとても映えました。
長年ワニ革のバッグ作りに経験を持つ職人さえ、今回のワニ革はなかなか見ない品質と評価したほどでした。
この革に見合うよう、裁断やつなぎ合わせにはこだわりを持って、バッグの作製にあたってもらいました。
バッグの顔となる表面のセンター取りはもちろんのことですが、背部の上段縫い合わせ部からファスナーの下部までに至る3枚のワニ革の貼り合わせも、斑模様が自然につながるように配置されています。
被せ部を開いた内側も、スライドポケットで上部下部に分けられた2枚のワニ革の斑がうまくマッチするように合わされています。
ショルダーバッグの本体は、肩に掛けた時、体に沿うように柔らかく仕上げました。
しかし、ベルトで両端を吊り上げた際、形がクタッと崩れないよう、ベルトの付け根部分は少し固めにしています。
バッグと一緒に小銭入れもお作りしました。
表面をバッグと同じピーナツ色と内側にグリーンのワニ革は、粋なお洒落になったと思います。
使っていくうちにツヤが出てき、少し濃いめの良い色になっていきます。
結果として、綺麗な斑模様がよく活かされたショルダーバッグが出来上がりました。
年末の最後にとても良い作品となりました。
2010年12月22日水曜日
思いの入ったワニ革のビッグトート
トートバッグを作りました。
サイズは、縦×上部横×下部横×高さ、31cm×61cm×45cm×31cmと結構大きなバッグとなりました。
横に置いたiPod touchから、そのサイズ感がお分かり頂けると思います。
なかなか他では見られない作品になったのではないかと思っています。
元々このバッグは、先日あるお客様から「イチローと同じようなワニ革のトートバッグはできますか。」、と尋ねられたことから始まりました。
これまでイチローは、2種類のワニ革トートバッグを持ったところを撮影されています。
一つはスーツ姿に右手で黒いシャネルを持ち、颯爽と歩く姿。
もう一つが、昨年のWBCで控室から出ていく前にインタビューを受けた際。
背中に背負ったボッテガべネタがとてもお洒落でした。
キャラと高級な商品がマッチして、ワニ革好きの方、またワニ革バッグの供給者には、相当インパクトのある光景でした。
WBCは視聴率もよく、ネットでもしばらく話題となっていました。
あれから少し時間が経ちましたが、弊社のようにワニ革でオーダーメイドのバッグをお作りしますとお話すると、いまだにWBCの時のイチローのトートバッグの話が出てきます。
多くの方の記憶に根強く残っているのであれば、一度弊社でも作って見ようとの事から、出来上がったのがこのバッグです。
作るからには、イチローが持っていたものより良いものを目指そうと、いくつか弊社ならではの特徴を持たせました。
まず、これだけ大きなバッグにもかかわらず、センター取りした1枚のワニ革で作ったことがあります。
通常、ワニ革を使った大型のトートバッグは、片面に何枚かのワニ革をつなぎ合わせて作ります。
今回の弊社のバッグは片面まるまる1枚使いで、サイドにマチを持たず、2枚のワニ革を両端でつないで作りました。
バッグが大きい分、一面一枚使いは迫力です。
次に、持ち手を太く、少し長めにしたことがあります。
男性物のトートは、どちらかと言えば持ち手は短いものが多く、腕を通して肩に掛けるという事がなかなかできません。
WBCでもイチローは持ち手を握って、背に担ぐようにしてインタビューを受けていました。
持ち手が短くても、夏にシャツ一枚の時などは肩に掛けられると思いますが、ジャケットを着ると上腕以上には持って来れません。
今回の弊社のトートバッグでは、手に提げられ、肩に掛けても良しとする、最適な長さでデザインしたつもりです。
内革にはオレンジ色の牛革を使いました。
ワニ革の黒に内革オレンジのコンビネーションは、勝手ながら私自身のお気に入りです。
真中に同色でファスナー付きのポーチを付けており、貴重品などを入れていただけます。
このポーチはバッグ内で間仕切りにも使え、更に取り外しが可能です。
今回のトートバッグはイリエワニで作りましたが、これだけの原皮の入手は難しく、次にいつ同じトートを作れるか分かりません。
イチローに自慢できないかと思っています。
どなたか、このバッグの存在をお伝えいただけないでしょうか。
2010年12月16日木曜日
黒いマットクロコのブリーフケース
黒いマットクロコのブリーフケースをお作りしました。
イリエワニまたはスモールクロコと呼ばれる、ワニ革では代表的な高級皮革を使用しました。
ワニ革の真中をバッグの中心に置き、左右対称に、中心から外側に向い斑の大きさが少しづつ小さくなっていくところまで表現した最も贅沢な取りかたをしています。
ワニ革は一枚づつ2枚同じ部分を裁断しましたので、斑模様は表面裏面共にほぼ同一です。
裏革は、豚スゥエードのモカ色を使用しました。
ファスナーを開け、内側を広げた時に映るうすく紫がかった色が、何とも言えない上品な雰囲気を醸し出します。
内部は、2段ポケットを含むお客様の使い勝手に合わせたこだわりの仕様です。
ここは職人さんには細部に渡り丁寧に作っていただきました。
高級感を損なわないよう、金具部はファスナーを含め鈍い輝きを放つ黒ニッケルに統一しました。
用途によっては茶色やグリーンもよいのですが、このタイプのブリーフケースには黒いワニ革のマット仕上げがオトナのお洒落に良く合っていると思います。
今回のブリーフケースの仕上がりに、私どもは大満足です。
持ち主になられるお客様が同じ気持ちになっていただければ、とても幸せです。
2010年12月9日木曜日
MEN'S EX 1月号
驚きました。
私の知らない中、MEN'S EX 1月号で弊社のドレスブランドDAMIのドライビングタイプ DAMI no. 3042が紹介されていました。
これまで、MEN'S EXで弊社商品をお取り上げいただいたことがなく、まったく無警戒で、またその反面、来年はDAMIをどの様にご案内していこうかと思案していた矢先でした。
お客様からご指摘いただき、初めて認識したという、広報担当としては大変恥ずかしい思いをしました。
3042は、このブログ記事でも何度かご案内していますが、ソールが上質ラバーで踵上部まで補強されており、履きやすく、足に馴染みやすいとご評価いただいているワニ革靴です。
稀にお客様によっては、「クロコにラバーを使うのはもったいない。」と検討対象外と言われることもありました。
もちろんDAMIの通常ラインナップは革底タイプを揃えています。
しかし、3042はカジュアルクロコを推奨する私どもとしては、高級素材をカジュアルでもお楽しみいただけるお勧めの1足でした。
せっかく雑誌でご案内いただきましたが、この3042については、現行の在庫が最後で、来年以降増産の予定はないのです。
2010年12月3日金曜日
大変良いことを教えていただきました
このスニーカーは、FENNIX 3035ブラックです。
すべてのFENNIXには、中敷きとして「カップインソール」が使われています。
弊社のカタログ上には次のようにご説明しています。
「インソールは立体的なフットベッドにこだわり、足に沿うように素材の弾力性を生かしたラテックス材をベースに、カーフを張り合わせたカップインソールに仕上げました。」
このカップインソールは、ご覧のように取り外すことができます。
さて、先日、FENNIXをお取扱いいただいているお店をお伺いした際に、店長さんにとても良いことを教えていただきました。
このカップインソールの踵部の下にクッションをひとつ入れると、3035は履き心地が良くなると言うのです。
実際、そちらのお店では、購入されるFENNIXの踵部にクッションを入れて販売されているそうです。
早速その帰り道、いくつか異なる種類のクッションを購入し、試してみることにしました。
結果はお聞きした通りで、履いた感触がとても良くなったのです。
その店長さんのお話では、人は体重の重心が後ろにあると不安定になり、ちょっとだけ前傾姿勢になるくらいに踵が上がると安定が良くなるとのことでした。
もちろん、踵部にショックを吸収するクッションがあると体に良いことは言うまでもありません。
カップインソールの下に入れるクッションに付いては、通常売られているもので良いのですが、最近はやりの百円均一ショップの女性向けヒールクッションで効果は十分でした。
私が試したのは、次の2つです。
上段のクッションは、ポリエステルとEVA樹脂で表面がベージュ、裏が黒。
下段は、透明なエラストマーです。
それぞれのクッションを、左右のスニーカーに別々に入れ、一時間程歩いてみましたが、ベージュの方が少し厚い分、クッション性は高いように感じました。
イタリア本社と協議し、遠くない将来、この踵クッションは標準装備にしたいと思っています。
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