2011年8月31日水曜日

ワニ革ヴィンテージスニーカーの赤



まだ販売開始がいつになるか決まっている訳ではありませんが、ヴィンテージスニーカー DAMI 2979を赤で作るとこの様になります。
弊社で現在販売している他のスタイルでは、赤をお求めになられるお客様は結構いらっしゃいます。
ワニ革をカジュアルシューズでお履きになられる方々のマインドとしては、派手な赤も重要な選択肢ということが、これまでのFENNIXの販売で分かりました。

しかし、ヴィンテージタイプにしたスニーカーの赤は他と少し雰囲気が変わり、これをどの様にご評価いただけるか、ぜひ皆様のご意見をお伺いしたいところです。
艶やかな赤でないところが、逆に渋めに大人の雰囲気を醸し出しているように思います。
お気に入りいただき、そろそろ標準色に飽きた頃、2足目にお選びいただくのには良い色ではないかと個人的には考えています。



最初にイタリアでこのヴィンテージスニーカーの販売にあたり打合せに着手した際、上段7色のサンプルから展開色の検討を始めました。
(左からヌメ、オレンジ、ホワイト、ダークブラウン、ミディアムブラウン、カーキ、ブラック)
最終的には、これら7色の中から、初期の標準色として、ブラック、ホワイト、ミディアムブラウンが選択され、この夏にオレンジを加え、現行4色で販売中です。



次の新たな色の展開としては、この秋から冬にかけて、カーキが加わる予定です。

2011年8月26日金曜日

赤いワニ革の長財布



赤いワニ革の長財布が上がってきました。
ファスナーが付いて、しっかり閉じることのできるタイプです。



シングルファスナーの長財布ですので、ワニ革は表裏がつながった一枚で作られています。



これまでどちらかと言うと、個人的にはあまり光沢のないマット調のワニ革の方が好みでした。



しかし、ここまで綺麗にグレージング加工された素材が商品に仕上がると、光沢のあるワニ革も相当良いと再認識してしまいます。



特にこのワニ革は、一つづつの斑が薄く盛り上がり、凹凸感を強調するボンベ加工が施されています。
最近では国内でも限られた工房のみが行える、特殊加工です。



ファスナーは接合部の密度が高いものを選び、色は光沢のないアンティークカッパーにしています。



内革にも赤を使っています。



財布の中は、中央に仕切りを持ち、両方にカードが6枚づつ、合計12枚入るようになっています。
もちろん小銭を入れるスペースなど持ちません。



今回は、最初に弊社が保有していたワニ革の中から一枚をお客様にお気に入りいただきました。
長財布というよりは、まずワニ革をご選択いただき、その素材品質に見合う部品を厳選し、商品の作製に着手しました。

他に同じものはない、このお客様だけの長財布となりました。

2011年8月24日水曜日

限りない欲望



井上陽水の初期のアルバムの中に「限りない欲望」という曲があります。

限りないもの、それが欲望。
子供の時に欲しかった白い靴。
母にねだって手に入れた。
いつでもどこでもそれを履いていた。
ある日町に出て、靴屋の前ですてきな靴が飾ってあった。
青い靴。
一番の歌詞はこういった内容です。



弊社のスニーカーの特徴として、欲望の有無は別にし、気に入っていただいたお客様には複数足ご購入いただくという傾向があるように思います。
一足ご購入いただき、気に入ったからと後日もう一足ご購入いただくと言うのはもちろんの事、中には最初からまとめて2足ご購入いただく場合もあります。
また、一足ご購入後、2足目はご自身のご希望を反映した特注品を作って欲しいと言われる場合もあります。



私どもの勝手な分析では、外出時に足を保護するためだけに履くのとは違い、スニーカーではありますが、お好きな方にとってはそれ自体がコレクターズアイテムなるのだと思います。
ワニ革という素材とそれをより優雅に引立てるヴィヴィドな色使いで、履き心地も悪くないイタリア製、これら総合要因から成るほかにはなかなかないという独自性に魅力を感じていただけるのではないでしょうか。
ファッション性が高く、異なる場面でそれぞれのお洒落を主張できるということもあると思います。
斯く言う私も、常時4足のFENNIXをその日の服装に合わせ履き替えており、5足目はヴィンテージスニーカーをどの色にしようかと現在狙っているところです。
私の知る限りで、お一人で弊社のワニ革スニーカーを最もご購入いただいたお客様は、17足お持ちでいらっしゃいます。

しかしその傾向は別にしても、安い商品ではありませんので、結局はそこに価値を感じたお客様がファンになっていただき、たとえ一足でもご購入いただけるということ自体、弊社にとって大変ありがたいことだと認識しています。



さて、話は戻り井上陽水ですが、昨日NHKの番組でライブを放送していました。
40年前にデビューして、今なお現役でこれ程ファンを魅了するアーティストが他に誰かいたか思い当たりません。
桑田、ユーミンさえも彼以降の世代です。
遅い時間から始まったTVプログラムでしたが、70年代当時と変わらぬ歌とサウンドで、とてもいい気分にさせてもらいました。

弊社の商品も陽水のように末長く愛されたいものです。

2011年8月14日日曜日

新たな需要の創造


DAMI 2979 Vintage white

少し前の世代では、ワニ革を使った商品と言えば、主にバッグ、靴にしてもドレスタイプの革靴が中心でした。
この数年、アーリープロジェクツジャパンを立ち上げて以来、弊社はワニ革を使ったスニーカーベースのカジュアルシューズに力を入れてご案内してきました。
ワニ革がお好きな方でも、バッグとドレスシューズだけであれば、身につけて楽しむ場は限られていたのではないかと思います。


FENNIX 3035 blue

弊社はこれまで「カジュアルクロコ」というコンセプトの元、ワニ革という高級素材を何気ない日常にさえ着用することで、カジュアルの装いでも楽しんでくださいとお伝えしてきました。
カジュアルシューズで準備させていただくと、ワニ革も少しはその活用の場が増えていくでしょう。


FENNIX 3035 brick

これまで、スニーカーにワニ革が使われていなかったかと言うと、決してそんなことはありません。
しかし、ワニ革が高級素材であるが故、多くのメーカーは自社ラインナップの最高位に位置する商品に使う傾向があり、複数のスタイルや豊富な色彩のバリエーションはなかったように思います。
その様な状況下、弊社はワニ革の専業メーカーと言うことで、ワニ革を使ったスニーカーにもスタイルや色に異なる選択をお持ちいただけるよう準備しました。
言ってしまえば、供給を準備することで、眠っていた新たな需要を創造しようと活動してきた訳です。


FENNIX 3035 red

素材自体が安くはないので、最終製品になった時の価格も必然的に高めになってしまいます。
しかし、多少の出費は覚悟の上で、お洒落を楽しんでいただく方々にとっては、新たな領域への開拓にお役に立てるのではないかと思っております。


FENNIX 3035 white

先日、お問合せをいただいたお客様のお話ですが、元々白いスニーカーを履きたいが、年齢も上がってくると、若い人達が履くものと同じものを選択したくないというお気持ちがあったそうです。
そんな中、弊社のWebサイトでFENNIXをご覧いただき、お電話をいただく切っ掛けになったとのことでした。
この話はよく理解できます。
極端な例を上げると、職場の仲間とカジュアルな装いで集合する際に、部下が上司とまったく同じスニーカーを履いていたりすると、服装を意識される上司であれば穏やかな気分ではいられないと思うのです。


FENNIX 3114 moka & cream

年齢を重ね、それに応じたステータスが出来上がると、持ち物にもそれに見合ったものが求められます。
時計や車などはそれが顕著に表れるアイテムです。
少しづつお洒落になって来た日本のオヤジ世代も、カジュアルの場でも、気が付くと足元が人よりお洒落だったりするとカッコ良いかも知れません。

2011年8月9日火曜日

2012年新作のご案内 その7 DAMI 3350 INTRECCIO



本日は新作の中からもう1足、ミドルカットのワニ革スニーカーをご案内します。



木型は8月3日のブログ記事でご案内したDAMI 3350とほぼ同型です。





DAMI 3350と同じ裁断をし、つま先甲部、ヒモの通った羽根部、踵部にワニ革を使用していますが、側部素材のキャンバス地がナッパになり、内側にファスナーが付いていません。
このスニーカーも、これまでご案内した新作と同様に、クラストのアッパーを作り、後に染色するワッシュタイプです。
品番は、DAMI 3350 INTRECCIOです。





このDAMI 3350 INTRECCIOは、側部に使われているナッパに特徴があります。
INTRECCIOはイタリア語で「編む」という意味ですが、このナッパに編んだような加工を施しています。
「編んだような」と言っているのは、実際ボッテガべネタの様に裁断した革を重ねて編み込んでいる訳ではなく、一枚の革を細かく折り込んで編んだように見せているからです。
これはこれで大変な加工だと思いますが、形状が特殊なため、好きな方と嫌いな方に分かれそうで、このまま国内で持って来て販売展開して良いか、少し市場調査が必要です。



いっそのこと、この編み込んだナッパをプレーンのナッパに置き換え、ワッシュタイプで作ってみるのも一つのアイデアだと考えています。
イタリア本社に確認したところ、プレーンのナッパで作ったサンプルはないそうなので、サンプルを1足作って欲しいとリクエストをしておきました。
イタリアのAlly Projectsは、他の企業と同様に8月の第2週から夏休みに入ります。
サンプルが上がって来るのは、9月に入ってからになりそうです。



そのサンプルに、キャンバス地のDAMI 3350の様にファスナーを付けてもらうべきか、現在迷っています。
イタリアでは、靴に付くファスナーが流行っているそうです。

2011年8月7日日曜日

2012年新作のご案内 その6 DAMI 3319



新作のスタイルの中からクラシックな革靴をご案内します。
品番はDAMI no. 3319 Francesina Saraです。



ここのところ続けてご案内してきた他の新作と同様に、この革靴もワニ革クラストの裁断から始め、アッパーを組み立て後、染色するワッシュタイプです。



革が柔らかくなり、アッパー全体がヴィンテージの風合いを持ちます。




通常の革靴はソール側面に最終加工として磨きをかけ光沢を出すのですが、この靴はアッパーのワイルド感に見合う様にワザと削った跡を残し、粗いザラザラな仕上げにしています。




等間隔の細い溝の目付けがついたウェルトに、ブラック・ラピッド製法で縫い付けています。



革底はバフしています。



スタイルは五つ穴の内羽根です。




木型の特徴として、つま先を高く、膨らみを持ったイギリス風になっています。




シャープなドレスラインの革靴DAMIに比べ、この靴は最近のカジュアルなイタリア製にも増えてきた、少し丸みのあるシルエットを持っています。



今回のサンプルは黒ですが、このスタイルはもっと明るめの淡い色で、よりカジュアル感を出しても良いかも知れません。

2011年8月6日土曜日

2012年新作のご案内 その5 DAMI 3320



これまで弊社の商品は、ドレスタイプの革靴とスニーカーをベースにしたカジュアルシューズが中心でしたが、新作のスタイルからブーツ系が出てきました。
今回はチャッカーブーツをご案内します。
品番はDAMI no. 3320です。



このブーツは、弊社のヴィンテージスニーカーと同様に、染色前のワニ革クラストを裁断・組立て縫製まで行い、その後に染色し、洗浄乾燥工程を経ます。





ワニ革という高級素材を使ってはいますが、スタイルはとてもシンプルなチャッカーです。



製法はブラック・ラピッドでアッパーとアウトソールを縫い付けます。



アッパーは柔らかなワニ革ですが、アウトソールはハードなビブラムソールで、今っぽさを出したブーツになっています。




使われるワニ革の部位も、前回ご案内したブーツ同様に、甲部にワザと斜めに裁断された大き目の斑を使います。
弊社のドレスタイプの革靴が左右対称のワニ革を綺麗にセンター取りし、片足に1匹分を使う上品なスタイルに対し、このブーツの斑使いは逆に素材のワイルド感を引立てています。



濃いグレーのチャッカーブーツ。
個人的には、少し暑さが緩んだ頃に、パリッとした白系のシャツとデニムパンツに合わせたいと狙っています。