2012年5月6日日曜日

お客様満足度と記憶力

販売の場において、商品やサービスの品質は当然ながら、それ以外のところでもお客様にご満足いただくために、お客様のことをよく覚えておくということが重要と私どもは考えています。
ご来店されたお客様とお話を始める前から、応対する側がそのお客様のことをよく覚えていますと体で表現することで、まず安心感をご提供できます。
笑顔でアイコンタクトをしながら、心の中で「前回はありがとうございました。」と言いながらおじぎをすると、相手には伝わるものです。
更に、これまでの購入履歴を把握していれば、その趣向が分かり、個人のご趣味に応じたご案内をすることができ、「この人にお願いしたら大丈夫。」と、より信頼感も構築できます。
これを販売員個人の記憶力に頼るだけでなく、より情報の精度を上げるとなると、ソフトウェアを構築し、システムを使って対応することが一つの解決策になります。

例えば、システム化されたコールセンターがこれを実現した一つの例です。
そのコールセンターでは、お客様のありとあらゆる情報を蓄積したデータベースを管理しています。
コールセンターにお客様からお電話をいただいた際、電話のベルが鳴り出した瞬間に、そのお客様の発信者番号を元にデータベースからそのお客様の情報を引き出す様にしておきます。
データベース内に情報さえあれば、オペレータのパソコン画面にお客様のお名前、性別、年齢、ご住所、購入履歴、前回お問合せされた際の内容が出てきます。
電話に出る前から、そのお客様がどういう方で、前回のコンタクト時に喜んでいたのか怒っていたのかが分かった上で、お電話に出ることが出来るのです。

また、こちらの方は今後実現していくのではないかという将来的なお話ですが、車のディーラーさんにでお役に立つ例です。
駐車場の入口に、車でご来店されたお客様のナンバープレートを読み込むカメラを設置します。
そして、お客様が車を駐車し、お店の玄関から入ってくる頃には、パソコンの画面にナンバープレートの番号から引き出したお客様の情報が出てくるようにしておきます。
そうすると、お店側の誰が応対しても「○○様、いらっしゃいませ」とお声掛けできます。
前回のオイル交換時期が分かっていれば、適切な時期にオイル交換のご提案ができ、車の保有年数が分かれば適切な時期に新車へ買い替えのお勧めも可能になってくるでしょう。
何度もご来店いただいているお客様が、新車の購入目的で訪問された際、新人の接客係が飛び入りのお客様と同じようにアンケート用紙を出してしまうという様な事は起こり難くなると思います。

しかし、消費財を中心とした小売商品の販売の場において、こう言ったシステムが活用できるようになるのは、まだ少し先のことでしょう。
であれば、システムの代わりに、販売員さんの個々の記憶力に頼るしかありません。
それがお客様にご満足いただくことにつながり、取扱い商品を継続してご購入いただけるかというポイントに深く影響してきます。

もちろん、記憶力の前に気遣いというスパイスは必要ですが。

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