2012年11月18日日曜日
アウトソールの交換 その2
この画像は、ワニ革ヴィンテージスニーカー DAMI no. 2979の靴ヒモを外し、中敷きを取り外した状態です。
これまでも何度かお伝えしているように、no. 2979は染色前のワニ革クラストを裁断し、縫製し終えたアッパーと中敷き表面の革を染色ドラムに一緒に入れ、色付けを行います。
素材の違いで色調が多少異なりますが、このスニーカーのアッパー表のワニ革と裏革、更に中敷きも同じ染料で染色されています。
生産時には、染色、洗浄、乾燥工程を経て、その後吊り込まれたアッパーは、アウトソールに載せ、アウトソールが被さった周縁を縫って接合していきます。
画像のように、中敷きが外された靴の中には、内革側部に縫い目と真中に白い中底を見ることができます。
この白い中底の部分を覚えておいてください。
さて、ここからが今回の本題です。
11月8日のブログ記事で、no. 2979は古いアウトソールを取り外し、新たなアウトソールに交換できるとお伝えしました。
アッパーとアウトソールを接合した糸を一度ほどき、新しいソールにアッパーを載せ、再度縫い合わせるのです。
以前、上段画像の様に、アウトソールの交換が終わったスニーカーの中敷きを取り外し、縫い目を確認したところ、縫い目の位置が多少ずれているのを発見したことがありました。
同じところを2度縫うよりも、少しずらして縫った方が強度を保つにはいいのは分かります。
もちろん、ほんの少しずらすだけなので、表に縫い目のあとが出てくることはありません。
しかし、1点心配なことがありました。
縫い目がずれることで、アッパーの位置が変わらないかと。
そうすると、甲の高さが変わり、足入れと履き心地に影響しないかと。
先日、修理工房を訪問した際に、作業者の方にこの件を伺ってみました。
回答としては、アッパーは冒頭でご案内した白い中底に接続されており、アッパーの高さは中底からの位置で固定されいるとの事。
アウトソールの交換は、中底と吊り込まれたアッパーをアウトソールに載せ、縫い込んでいくだけなので、アッパーの甲の高さは変わることはないとのお話でした。
よくよく考えれば、そう言うことなのです。
おかしなことを聞く人だと思われなかったかと、ちょっと恥ずかしい気持ちで工房を後にしました。
こちらは、アウトソールの交換が終わり、靴ヒモを取り付ける前に、表から見たno. 2979です。
この状態で履く方はいらっしゃらないと思いますが、このスニーカーは靴ヒモを外すと、ワニ革の斑の模様がより際立って、カッコ良いのです。
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